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銀めっき
銀めっきは金めっきと同様に古くから装飾用として使用されてきました。金めっきよりも安価で、厚着け
ができ、抗菌性が高く、柔らかい、など利点が多いので、食器、装飾品、電子部品などさまざまな分野で
活用されています。
銀は金属の中でも電導性に優れ、電気抵抗率が小さいことから、当社ではコネクタやスイッチなどの
多くの電子部品に銀めっき加工を行っております。銀めっきラインは第一工場のメインラインとして稼動して
おりまして、米粒より小さな部品から大型コネクタまで、また1μmから厚着けまで対応しておりますので、
銀めっきに関するご相談などございましたら是非お気軽にお問い合わせください。
銀めっきの最大の弱点は大気中の硫化物により硫化しやすく、環境によっては黒く変色してしまいます。
弊社では、銀めっき皮膜をクロムフリーの変色防止剤でコーティングすることで、変色を防いでいます。
また、ビニール手袋やゴムマットに硫黄が含まている場合は、硫化を促進してしまいますので、検査、
梱包、保管につきましても、細心の注意を払っています。銀めっき品のお取り扱いにつきましてご不安な
方は、ご相談に応じますので是非お問合せください。
スズめっき(半光沢)
スズめっきの歴史は古く、紀元前1500年の記録が残っており、世界最古のめっきと言われています。
耐食性に優れ、毒性が少ないので、食器や缶詰などにも使用されてきました。また、融点が低く、
半田付け性が良いため、現在では幅広く電子部品に活用されています。比較的柔らかい金属のため、
摺動部品のめっきにも適しています。
当社のスズめっきはバッテリー端子などの自動車部品に加工をさせていただくことが多く、第二工場は
自動車部品専用の全自動半光沢スズめっきラインとして、現在二交代制で稼動させていただいております。
スズめっき皮膜は酸素と結合しやすい性質から、保管環境によっては変色が発生しやすいというデメリット
がありますが、昨今のスズめっき用変色防止剤の進化により、変色が問題となることは少なくなってきている
ように見受けられます。
また、時間経過と共にウィスカが発生するという問題点が指摘されていますが、スズめっきの前に
ニッケルめっき下地を加工することでウィスカの発生を抑制できると言われています。
なお、当社では99.99%のスズの材料を使用しておりますが、どうしても不純物して微量の鉛が混入して
しまうそうです。そのため、スズめっき皮膜の鉛濃度が100ppm以下となるよう、環境に配慮しためっき液
を使用しており、定期的に皮膜中の鉛濃度を監視・測定させていただいております。ICPデータなどの
ご提出にも対応しておりますので、是非お問合せください。
無電解ニッケルめっき
無電解ニッケルめっきは文字どおり、電気を使わずに化学反応でめっきを行います。当社の無電解ニッケル
めっきは、ニッケル92%、リン8%(中リン)の合金めっきです。無電解ニッケルめっきの特長として、
複雑な形状に対しても膜厚のムラなく、均一にめっきができるという点があげられます。また、そのまま
でも硬度が500Hvあり、熱処理をすることにより1,000Hv程度まで硬度が上がるという特長があります。
弊社ではスマートメーターや、ロボット用リチウムイオン電池の部品など、比較的トレンド性の高い部品に
無電解ニッケルめっきのご依頼をいただくことが増加傾向にございます。
無電解ニッケルめっき皮膜の上に加工するニッケルボロンめっきという少しめずらしいめっき加工も
取り扱っております。ニッケルボロンめっきはそのままで硬度が700~800Hvあるという特長があります。
なお、無電解ニッケルめっきはめっき液自体が高価で、液中に次亜リン酸を含むため排水処理が困難な
こともあり、コストダウンがしづらいという弱点がございます。
試作段階ではありますが、アルミ材に無電解ニッケルめっきが加工できる薬剤を選定中です。新しい
加工にもどんどんチャレンジして参りますので、何かご要望がございましたら是非お問い合わせいただけ
ますよう、お願い申し上げます。
銅めっき
銅めっきは導電性、熱伝導性が良く、柔らかく延びやすい性質があることから、素材を保護しやすく、
めっき下地として多く活用されています。素材にピュアな銅下地を作ることにより、上層のめっき皮膜との
密着性も向上するため、お断りされない限りは、ほとんどの部品に対してめっき下地として銅めっきを加工
させていただいております。また、黄銅素材などに対しては、亜鉛が拡散するのを防止する重要な役割も
果たしています。
当社は工業用途のめっき加工のご依頼が多いため、銅めっきには光沢剤を使用しておりません。光沢剤は
金属皮膜の中では不純物となりますので、後加工などの際に悪影響を及ぼすことが考えられるからです。
10円玉で認識されていますように、銅は非常に変色しやすい金属ですので、当社でもめっき下地として
加工されることがほとんどですが、変色防止剤の発達により、一部の自動車部品では銅めっきのみでご納品
させていただいております。
キリンス
キリンスとは化学研磨の一種で、硝酸系化学研磨剤の総称です。硝酸に強酸を足してキリンスの配合を
行いますが、強酸の配合は各社でアレンジがあり、一言にキリンスと言ってもさまざまな液があります。
共通していることは硝酸を使用していることですが、そのことにより窒素酸化物が発生してしまいます。
窒素酸化物は大気・海洋汚染物質とされており、環境に及ぼす影響が非常に大きいため、当社では1日の
処理量を限定して加工を行っております。
環境への配慮からキリンス処理を行う企業は減ってきており、当社でも過酸化水素系の化学研磨剤を推奨
させていただいております。
化学研磨
当社の化学研磨は過酸化水素系の化学研磨剤を使用し、なだらかな溶解で素材の表面を溶かしていきます。
表面の凹凸を整える作用もありますので、素材に綺麗な光沢面を得ることができます。素材の表面を削り
フレッシュな面を出すこと、また素材に付いているバリやスケールを除去することもできるので、めっきの
前処理としても有効です。
キリンスと異なり窒素酸化物が発生しないため、当社では化学研磨剤を推奨させていただいております。
バレル研磨
バレル研磨工程は写真のようなバレルに、品物同士またはメディアなどを入れて表面を研磨する工程です。
表面に付着しているバリや異物を除去し、素材の表面を綺麗な状態にして、めっき不良を防止します。
また、バレル研磨により素材に光沢感を出すこともできますので、めっき後に光沢感が必要な場合も
有効です。
バレル研磨だけのご依頼も承っておりまして、ステンレスやチタンなどにも実績がございますので、
是非お気軽にご相談ください。
脱脂とは文字どおり油を除去する工程です。前処理の脱脂工程でしっかりと油を除去しないと、金属表面と
めっき処理液が触れないため、めっき不良が発生してしまいます。そのため非常に重要な工程です。
アルカリ脱脂は万能工程ではありませんので、変色防止剤など有機系の膜が表面に付着していると除去
しきれない可能性もあり、バレル研磨工程などで物理的に皮膜を剥がすことが必要となる場合もあります。
