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無電解ニッケルめっき
無電解ニッケルめっきは文字どおり、電気を使わずに化学反応でめっきを行います。当社の無電解ニッケル
めっきは、ニッケル92%、リン8%(中リン)の合金めっきです。無電解ニッケルめっきの特長として、
複雑な形状に対しても膜厚のムラなく、均一にめっきができるという点があげられます。また、そのまま
でも硬度が500Hvあり、熱処理をすることにより1,000Hv程度まで硬度が上がるという特長があります。
弊社ではスマートメーターや、ロボット用リチウムイオン電池の部品など、比較的トレンド性の高い部品に
無電解ニッケルめっきのご依頼をいただくことが増加傾向にございます。
無電解ニッケルめっき皮膜の上に加工するニッケルボロンめっきという少しめずらしいめっき加工も
取り扱っております。ニッケルボロンめっきはそのままで硬度が700~800Hvあるという特長があります。
なお、無電解ニッケルめっきはめっき液自体が高価で、液中に次亜リン酸を含むため排水処理が困難な
こともあり、コストダウンがしづらいという弱点がございます。
試作段階ではありますが、アルミ材に無電解ニッケルめっきが加工できる薬剤を選定中です。新しい
加工にもどんどんチャレンジして参りますので、何かご要望がございましたら是非お問い合わせいただけ
ますよう、お願い申し上げます。
銅めっき
銅めっきは導電性、熱伝導性が良く、柔らかく延びやすい性質があることから、素材を保護しやすく、
めっき下地として多く活用されています。素材にピュアな銅下地を作ることにより、上層のめっき皮膜との
密着性も向上するため、お断りされない限りは、ほとんどの部品に対してめっき下地として銅めっきを加工
させていただいております。また、黄銅素材などに対しては、亜鉛が拡散するのを防止する重要な役割も
果たしています。
当社は工業用途のめっき加工のご依頼が多いため、銅めっきには光沢剤を使用しておりません。光沢剤は
金属皮膜の中では不純物となりますので、後加工などの際に悪影響を及ぼすことが考えられるからです。
10円玉で認識されていますように、銅は非常に変色しやすい金属ですので、当社でもめっき下地として
加工されることがほとんどですが、変色防止剤の発達により、一部の自動車部品では銅めっきのみでご納品
させていただいております。
キリンス
キリンスとは化学研磨の一種で、硝酸系化学研磨剤の総称です。硝酸に強酸を足してキリンスの配合を
行いますが、強酸の配合は各社でアレンジがあり、一言にキリンスと言ってもさまざまな液があります。
共通していることは硝酸を使用していることですが、そのことにより窒素酸化物が発生してしまいます。
窒素酸化物は大気・海洋汚染物質とされており、環境に及ぼす影響が非常に大きいため、当社では1日の
処理量を限定して加工を行っております。
環境への配慮からキリンス処理を行う企業は減ってきており、当社でも過酸化水素系の化学研磨剤を推奨
させていただいております。
化学研磨
当社の化学研磨は過酸化水素系の化学研磨剤を使用し、なだらかな溶解で素材の表面を溶かしていきます。
表面の凹凸を整える作用もありますので、素材に綺麗な光沢面を得ることができます。素材の表面を削り
フレッシュな面を出すこと、また素材に付いているバリやスケールを除去することもできるので、めっきの
前処理としても有効です。
キリンスと異なり窒素酸化物が発生しないため、当社では化学研磨剤を推奨させていただいております。
バレル研磨
バレル研磨工程は写真のようなバレルに、品物同士またはメディアなどを入れて表面を研磨する工程です。
表面に付着しているバリや異物を除去し、素材の表面を綺麗な状態にして、めっき不良を防止します。
また、バレル研磨により素材に光沢感を出すこともできますので、めっき後に光沢感が必要な場合も
有効です。
バレル研磨だけのご依頼も承っておりまして、ステンレスやチタンなどにも実績がございますので、
是非お気軽にご相談ください。
脱脂とは文字どおり油を除去する工程です。前処理の脱脂工程でしっかりと油を除去しないと、金属表面と
めっき処理液が触れないため、めっき不良が発生してしまいます。そのため非常に重要な工程です。
アルカリ脱脂は万能工程ではありませんので、変色防止剤など有機系の膜が表面に付着していると除去
しきれない可能性もあり、バレル研磨工程などで物理的に皮膜を剥がすことが必要となる場合もあります。
